こんにちは、まいこです。
筆者の気まぐれな性癖上、当ブログは不定期に更新しています。
なので、数カ月放置していることもあります。
今週は2回目の投稿となります。
筆者はボサノバが好きです。
ブラジルで生まれたこのリズム。
ゆったりしていて少し気だるいリズム。
人生の後半のゆったりした時間に似合うリズムではないでしょうか。
筆者は20代の中頃、CD屋さんの「ワールドミュージック」のカテゴリーにあるCDばかり買っている時期がありました。
スペイン語と英語を勉強していましたので、歌の歌詞から言語を攻略したいという発想もありました。
最初はCD屋さんのワールドミュージック担当のお兄さんのおすすめに乗っかってCDを買っていました。
その方はフレンチポップがお好きだったようで、フレンチポップスもいろいろとおすすめしてくれました。
1993年頃、ジョディ・フォスターを起用した、マウントレーニア・カフェラッテのCMで流れていた「ジェレミー」を歌うクレモンティーヌはすぐにお気に入りの歌手になりました。
彼女は、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語、英語、日本語(!)と器用に多言語で歌い分けていました。
語学と音楽好きにとって、一石二鳥どころか三鳥も四鳥も兼ねる彼女のCDは大のお気に入りになりました。
スペイン語で歌うナンバーをよく聴いていましたが、ボサノバのカバー、もしくはボサノバ調にアレンジしたカバー曲などがたくさんあり、筆者のお気に入りBGM定番となりました。
と同時に小野リサさんの音楽にも親しむようになりました。
そんな感じでボサノバが自分の中で心地よいリズムとなっていきました。
さて、先日はAntônio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン)の”WAVE” を取り上げましたが、今日は”イパネマの娘(ポルトガル語:Garota de Ipanema、英語:The Girl from Ipanema)を訳してみたいと思います。
Olha que coisa mais linda
Mais cheia de graça
É ela menina
Que vem e que passa
Num doce balanço
Caminho do mar見て、(街で)一番きれいな彼女
気品にあふれている
あの娘だよ
行ったり来たり
素敵にボディを揺らしながら
海の小道を歩いてるよMoça do corpo dourado
Do Sol de Ipanema
O seu balançado
É mais que um poema
É a coisa mais linda
Que eu já vi passarイパネマの太陽でこんがり日焼けした彼女
歩くたび揺れる彼女のボディは
言葉にできない
今まで見た中で一番きれいだよAh, por que estou tão sozinho?
Ah, por que tudo é tão triste?
Ah, a beleza que existe
A beleza que não é só minha
Que também passa sozinhaあー、なんで俺はひとりぼっちなんだ?
あー、なんでこんなにさびしいの?
あー、美しい人はそこにいるのに
俺だけの彼女ではないのさ
またひとり通り過ぎるのさAh, se ela soubesse
Que quando ela passa
O mundo, sorrindo
Se enche de graça
E fica mais lindo
Por causa do amorあぁ気付いてくれないかな
彼女が通り過ぎる時
愛の魔法がかかって
大人の男になって
彼女を振り向かせることができたらいいのにTall and tan
And young and lovely
The girl from Ipanema
Goes walking
And when she passes
Each one she passes
Goes: Ah背が高くて小麦色の
若くて可愛い
イパネマの少女が歩いてる
彼女が通るたび、
男たちは思わず声をあげる
「あぁ(いい女だ)」とWhen she walks
She’s like a samba
That swings so cool
And sways so gently
That when she passes
Each one she passes
Goes: Ah彼女はまるでサンバを踊っているように歩く
かっこよく
そしてやさしく揺れている
だから彼女が通るたび男たちは声をもらす
「あぁ(いい女だ)」とOh, but he watches so sadly
How can he tell her he loves her?
Yes, he would give his heart gladly
But each day when she walks to the sea
She looks straight ahead not at he男たちは悲しそうに彼女を見つめる
どうやってこの愛を伝えればいい?
喜んでこの心を彼女にささげたいのに
でも彼女が海へ向かって歩いている時はいつでも
男たちにはまったく目もくれないTall and tan
And young and lovely
The girl from Ipanema
Goes walking
And when she passes
He smiles but she doesn’t see背が高くて小麦色の
若くて可愛い
イパネマの少女が歩いてる
男たちは彼女に微笑みかけるけど
彼女は見むきもしないんだOh, but he watches so sadly
How can he tell her he loves her?
Yes, he would give his heart gladly
But each day when she walks to the sea
She looks straight ahead not at he男たちは悲しそうに彼女を見つめる
どうやってこの愛を伝えればいい?
喜んでこの心を彼女にささげたいのに
でも彼女が海へ向かって歩いている時はいつでも
男たちにはまったく目もくれないTall and tan
And young and lovely
The girl from Ipanema
Goes walking
And when she passes
He smiles but she doesn’t see
She just doesn’t see背が高くて小麦色の
若くて可愛い
イパネマの少女が歩いてる
男たちは彼女に微笑みかけるけど
彼女は見むきもしないんだ
ただただ前をむいたままさNo, she doesn’t see
But she doesn’t see
She doesn’t see
No, she doesn’t seeねぇこっち見てよ
彼女はこっちを見ない
全然みようとしない
だめだ、見向きもしない和訳は筆者オリジナルです。意訳も含みます
https://www.letras.com/joao-gilberto/925016/
こんな感じになりました。
上記のバージョンでは前半はポルトガル語、後半は英語で歌われています。
ポルトガルの歌詞の部分は、ひとりの若い男性が主人公で、憧れの人に声をかけたいけど自分に自信がなくてためいきついている様子を思い浮かべました。
英語の歌詞に入ると、道行く美女に、男たちが熱い視線を送っている状況が浮かびました。
なので英語の歌詞では”he(彼)”は「男たち」と訳しました。
筆者はこの英語の歌詞を聴いていてイタリア映画の「マレーナ」を思い起こしました。
この歌詞で、女性の歩く姿をポルトガル語ではbalançarという動詞を用いて、英語ではswingという名詞とswayという動詞を用いて表現されています。
歌詞で使われている意味は以下のような意味だと思われます。
まずはポルトガル語の”balançar”(動詞)
balançar
❶ 揺り動かす,揺する,揺らす;(ブランコを)こぐ
Ela balançava o filho até ele adormecer.|彼女は息子が寝入るまで揺すっていた.
出典 プログレッシブ ポルトガル語辞典
歌詞では”O seu balançado“とあり、動名詞として使われていると思います。直訳すると「彼女の揺れ」
英語の”swing”(名詞)
swing(名詞)
可算名詞 体を振って歩くこと.
https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/swing/
そして英語の”sway”(動詞)
sway(他動詞)
https://ejje.weblio.jp/content/sway
1a〈…を〉(前後・左右に)ゆすぶる,振り動かす.
sway one’s hips 腰をゆする.
b[sway oneself で] 体をゆさぶる.
英語の歌詞の部分になると、彼女の歩きはサンバを踊っているようで、”That swings so cool”(その揺れはかっこよくて)”And sways so gently”(そして優しく揺れている)という感じになるかと思います。
英語もポルトガル語も何か「揺れながら」素敵に歩いていると表現されています。
この「揺れる」というのは、女性が豊満なので「歩くたびに胸が揺れている」という感じもします。または揺れているのは髪なのかもしれないし、腰を振り振り歩いているさまを「揺れている」と表現しているのかもしれません。足元はヒールの可能性が高いです。
いずれにしても、この歌に出てくる、「イパネマのべっぴんさん」は、男性が思わず見とれてしまうような「揺れる女性らしさ」を持つ女性なのだろうなと筆者は感じました。
男性は潜在的に狩りを好むと言われます。もしかして、ゆれるものはすべて狩猟の対象となるのでしょうか?
猫じゃらしや揺れる影に過剰に反応する我が家のオス猫どもを見ながらそんなことを感じました。
ところで、日本女性の美しさを表現するのに使われる言い回しがあります。
「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
和装ならではという感じもします。
日本では、百合の花のように楚々と歩くのが美しいとされるわけですね。
慎ましい中にかぐわしい色気を備えているようなイメージでしょうか?
お国柄が出ますね。
ちなみに、ひと昔前、筆者の若い頃、海外の方から見ると、日本女性の歩き方はどこか不思議な違和感があったようです。
今はあまり見かけませんが、「うちまた歩き」であったり、「猫背気味」であったり。
それはきっと和装の時代が長かったからかなと思います。
和装には和装の歩き方がありますから。
ラテンや欧米諸国の女性達の颯爽と歩く姿や、腰を振り振り歩く姿は憧れでもありましたが、なかなか真似できるものではありませんでした。
逆に今は和装をしても、「がに股」だったり、「はと胸」で「いかり肩」だったりで昔の着物姿というのはなくなりつつあるのかなと思います。
服装が変われば、歩き方も違うというのは面白いですね。
wikiから少し抜粋させていただきます。
ジョアン・ジルベルト(João Gilberto、本名ジョアン・ジウベルト・プラド・ペレイラ・ヂ・オリヴェイラ、1931年6月10日 – 2019年7月6日)は、ブラジルの歌手、ギタリスト。
作曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンや作詞家のヴィニシウス・ヂ・モライスらとともに、ボサノヴァを創成したとされている。
アストラッド・ジルベルトは元妻。アストラッドとの離婚後、歌手のミウシャと結婚。ベベウ・ジルベルトはミウシャとの間の娘である。
代表曲
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88
「想いあふれて」 – “Chega De Saudade”
「フェリシダーヂ」 – “A Felicidade”
「イパネマの娘」 – “The Girl From Ipanema”
「デサフィナード」 – “Desafinado”
「静かな夜」 – “Corcovado”
「イザウラ」 – “Izaura”
「バイーア生まれ」 – “Eu Vim Da Bahia”
「ビン・ボン」 – “Bim Bom”
「偽りのバイーア娘」 – “Falsa Baiana”
「ボンファに捧ぐ」 – “Um Abraço no Bonfá”
人名を覚えるのが苦手なのですが、この方の名前は覚えました。
ボサノバギタリストを志している筆者ですのでもちろんギターの譜面も買ってあります。(目下練習中です)
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。